2011年06月10日

神無き月十番目の夜

今回は時代小説ですが、珍しく武将の物語ではありません。
小生瀬という村滅亡の謎を追う物語。

最初の登場人物、嘉衛門が村民が一人としていなくなってしまった村へ派遣される。
小生瀬村へ着いた嘉衛門は村民の大量の死骸を発見する…

小生瀬村は常陸の佐竹領、伊達との堺にある村。
半農半士でありながら伊達の侵入を防ぐ為、他の蔵入地とは違い
米等はまず自分たちの分を確保し残りを収める事を認められた特殊な村。

その為、村民はみな体型がよく精強な部隊。
主人公の藤九郎は騎馬武者で初陣である伊達との戦いで首3つとる程。
しかし関ヶ原後戦もなくなり、小生瀬村の村民も平和に暮らすハズが
佐竹に代わり武田信吉が領主となった為、検地がはじまる。

この検地をする役人たちが、村民が一生懸命育てた収穫前の田畑に入り検地を行う。
行為は検地だが、村民からしてみれば荒らしのようなもの。
村民達は役人に対し憤りを覚え、若い衆達が行動に出てしまう。

戦を知っている藤九郎、戦を知らない若衆。
藤九郎は戦がどれ程ひどいものか身を持って知っている為
戦にならないようにと一人奮戦する。

だが、その思いは若衆には伝わらない。
そのもどかしさ、それでも最善を尽くそうとする藤九郎。
そういった人間模様や思いがよく描かれています。

正直めっちゃ重いです、この本。
全体的に重いのですがやけに人が死ぬシーンが鮮明に描かれている事もあり
読んでる間中、(lll-ω-)ズーンってくるような感じです。

でもホントによく描かれてるので一度読み始めると止まりません。
通勤中読んでいたのだけど、たったの20分なので足りない。
昨晩家で読み始めたらとまらなくて、今日仕事だと言うのに
3時ぐらいまで読んでしまいました…

ちょっと気になったのは同じフレーズが何度も何度も登場する。
結構、字がビッシリなせいもあり読むのに少し苦労する。
そんな状態で同じフレーズ・説明を繰り返されると
「それ、さっき読んだから!」と言いたくなる。

それから藤九郎がどう行動するのか、どうやって若衆達に分からせるのか。
それを楽しみに読み進めているのだが、藤九郎の最後はかなり残念です。
敢無いご最後ってまさにこんな感じだと思う。

残念な部分もあるけれど、ホントにこの作家さんの筆力は凄いと思う。
この本は久しぶりの大当たりです。
posted by yu-ko at 20:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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